(2015)平成27128日 No3132回 20152016年度(19会報)

会員数 107名 出席者 59名 出席率 58.4% 

 

ビジター紹介(親睦活動委員会 畑剛司副委員長)

 黒尾誠 様(自治医科大学 教授 ゲストスピーカー)

 

快出席祝(出席委員会 加藤幸夫委員長)

 佐藤行正会員(23年)青木栄久会員(12年)畑剛司会員(9年)三原靖会員(6年)

 新井将能会員(2年)関戸優会員(2年)太田周会員(2年)杉山幹治会員(1年)

 吉田光徳会員(1年)

 

SAA(斎藤幸一副SAA)

 先週に引き続きNHK歳末助け合い募金の募金箱をお回し致しますので、是非ご協力の程宜しくお願い致します。

これから募金の贈呈式を行います。木村会長、NHK宇都宮放送局田野辺局長、ご壇上下にお越し下さい。

 

親睦活動委員会(ア尾肇委員長)

親睦活動委員会のア尾でございます。来週火曜日、クリスマス例会と云う事でご案内をさせて頂いております。昼の例会はありません。夜6時に受付開始、6時30分開会させて頂きます。まだ出欠をお出しになっていない方は、今日明日中にお願い致します。

 

ニコニコボックス委員会(粟飯原悟委員長)

 ニコニコボックス委員長の粟飯原でございます。本日、頂戴致しましたご奉仕をご紹介させて頂きます。

 誕生祝:斎藤幸一会員

 快出席祝:三原靖会員 新井将能会員 畑剛司会員 杉山幹治会員 吉田光徳会員

 奥様誕生祝:太田裕治会員

 

プログラム紹介(田野辺隆男委員長)

 本日は、こちらにあります様に「老化の秘密が見えてきた」という事で、皆様も関心が高いのではないかとおもいます。クロトー遺伝子が老化に関わっている様です。これを発見され、将来ノーベル賞になるのではないかという黒尾先生にお越し頂きました。黒尾誠先生は自治医科大学の抗加齢医学研究部の教授でいらっしゃいます。黒磯町でお生まれになり、東京大学医学部をご卒業された後、東京都老人医療センターや国立精神神経センター神経研究所で研究を深められ、その中でこの老化が加速する突然変異のマウスを発見し、この遺伝子にたどり着いたという事です。その後テキサス大学で研究を深められ、自治医科大学で更に研究をされているという事です。今日は、その凄い秘密をうかがえるという事で楽しみにしております。宜しくお願い致します。

 

卓話「見えてきた老化の秘密 〜クロトー遺伝子の可能性〜」

                自治医科大学 抗加齢医学研究部 教授 黒尾 誠 様

 ご紹介をありがとうございます。又草野先生、この様な機会を与えて下さり有難うございます。私共は、老化の研究をしております。切っ掛けと云うのは、偶然の幸運によるものでございました。その経緯を最初にお話をさせて頂き、今日からでも実践出来そうなアンチエイジングの方法をお話していきたいと思います。

―スライドをお願い致します。―

私にとって転機になった年が、1991年です。当時、私はネズミを使って遺伝子操作の実験をしていました。マウスの遺伝子を色々操作している内に、ちょっとした偶然で何かの遺伝子を壊してしまい、突然変異マウスが出来てしまいました。このマウスと云うのは、あたかも老化が加速したかのような、色んな症状を出す突然変異マウスでした。毛が薄く背中が曲がっており筋力が弱く精力減退・動脈硬化・骨粗鬆症・肺気腫・耳が遠い・認知症もあって早く死んでしまうと云うとても可哀そうなマウスです。いうなれば、早老症マウスができてしまったという事です。このマウスでは、老化を抑制する遺伝子が壊れているのではないか?と考え、どの遺伝子が壊れているのかを探して、やっと6年後に遺伝子が見つかりました。クロトー遺伝子と名前を付け、立派な科学雑誌に論文を載せる事が出来ました。クロトーのいわれと云うのは、ギリシャ神話に出てくる「生命の糸」を紡ぐ女神の名に因んでいますが「黒尾」という自分の名に音が一番近い名前を選びました。つまり「クロトー遺伝子が壊れると、早老症になる」という事が分かったのです。この研究成果が幸い認められまして、研究の場をテキサス大学に移したのが1998年でした。そこで、クロトー遺伝子を過剰に持つマウスを作成したところ、普通のマウスより長生きする事が分かりました。つまり、クロトー遺伝子と云うのは破壊すると老化が加速し、沢山あると寿命を延ばす、真の老化抑制遺伝子だと、この時点で確信しました。只、皆さんご承知の様に遺伝子と云うのはDNAで、これは単なる設計図であって、本当に生体内で働いているのは、その設計図を基に作られた製品であります蛋白質です。なので、実際に体の中で働いているのはクロトー蛋白ですので、この蛋白がどんな働きをするのか?これを理解する事が必要です。クロトー蛋白の働きをお話する前に、1つ理解して頂きたい概念があります。「ホルモン」という概念です。ホルモンとは、何らかの刺激に応じて特定の臓器(産生臓器)から分泌され、血流にのって全身に運ばれて遠く離れた特定の臓器の受容体に結合し、その臓器(標的臓器)の働きを制御する物質の事です。例をあげますと、血糖が上がると膵臓からインシュリンと云うホルモンが分泌されます。この場合、膵臓が産生臓器になります。インシュリンと云うのは、肝臓などに発現しているインシュリン受容体に結合して血糖を下げる働きをします。この場合、標的臓器は肝臓になります。ホルモンとその受容体の関係は、鍵と鍵穴の関係に例えられます。1対1の対応であって、間違って他の鍵穴に入ってしまうという事は有りません。他にも色んなホルモンがあります。例えば、グルカゴンと云うホルモンが有ります。これも、膵臓から出て肝臓に働くホルモンですが、インシュリンとは受容体が違いますし、作用も逆で血糖を上げる作用が有ります。他にも、例えばレプチンというホルモンが有ります。これは脂肪細胞から分泌され、脳のレプチン受容体に作用して食欲を抑えます。レプチンと同じ様な働きをするが開発されれば、やせ薬となるのではないかと言われています。この様なホルモンとその受容体から成るシステムが体の中に沢山あり、まとめて内分泌系と言います。もう1つだけ例を挙げます。FGF23と云うホルモンが有りまして、これは骨から分泌され腎臓に働きます。リンを尿中に排泄する作用があります。このFGF23の受容体がクロトーだと分かったのが、2006年です。この様に、基礎研究は10年単位でないと、中々進まない様です。

 先ず、リンとは何か?生命体を構成する6大元素(炭素・窒素・水素・酸素・硫黄・リン)の1つです。リンは、先ず骨を作っています。骨の成分はリン酸カルシウムです。又リンは、細胞の膜を作っていますし、遺伝子の中にもリンが沢山入っています。生命にとって根源的に大事な元素です。実は、リンがどの様に体の中で使われているか?その仕組みは、クロトー遺伝子が発見される迄、良く分かっていませんでした。

次にFGF23とは、どの様なホルモンであるか?お話します。リンを摂取すると何らかの機構で骨がリンを食べたと感知してFGF23を分泌します。それが血中を流れて腎臓にある受容体のクロトー蛋白に作用し、尿中へリンの排泄を促します。このFGF23クロトー内分泌系は、食べた分のリンを尿中に排泄する事でリンが体に溜まらない様にリンのバランスを維持している重要な内分泌系です。クロトー遺伝子が壊れてクロトー蛋白が作られないと、FGF23が働けなくなり食べた分のリンを尿中に出せない為、リンが溜まってしまいます。これが冒頭に紹介した早老症マウスの病態です。従って、クロトー遺伝子が壊れた早老症マウスでは、例えば、リンの摂取量を減らしてリンのバランスを取り戻し、リンが体に溜まらない様にしてやれば、もしかして早老症が治るのではないかと考え、このマウスにリンの含有量の少ない餌を与えました。期待通り早老症が治り、完全では有りませんが寿命も結構回復してきました。以上の事から、リンが老化を加速するのではないかと考えられるようになりました。つまりリンを食べ過ぎると、体に良くないのではないかと云う事です。マウスを使ってそれを確認してみました。マウスにリンが沢山入った餌と普通の餌を与え、3ヶ月後に採血し調べてみました。リンを摂取しますとFGF23が出てきます。高リン食を食べているマウスの血中FGF23は、かなり上昇しています。その結果、尿中にリンが沢山出てきています。そのお陰で、血中のリンは余り上がらないで済んでいます。食べた分のリンを上手く尿中に出す事ができ、バランスを保つことが出来ています。つまり、沢山リンを摂取しても沢山尿中に排泄しているので、バランスは崩れていない状態になっていました。ですが、これだけ沢山のリンが排泄されるという事は、尿中のリンの濃度が上がっているわけで、リンの濃度の高い尿を作っている腎臓は大丈夫なのか?と心配になったので調べてみますと、実はかなり傷んでいました。腎線維症と云われる様な病気で、血液検査や尿検査では大した問題ではなさそうに見えても、実際に腎臓の組織を見てみますと傷ついています。リンを食べすぎると、腎臓が痛むわけです。尿中リン濃度が上がると腎臓に何がおきているのでしょうか?その前に、腎臓の働きについて考えてみます。腎臓は「ネフロン」という血液濾過フィルターの集合体です。ネフロンは、血管と尿細管という2つの管から出来ています。血管に血液が流れますと、ろ過されて濾液が尿細管の中を流れていきます。この濾液は、尿の原料になるので原尿と呼ばれます。ネフロンは、小さい分子は何でもろ過します。一旦濾過してから、尿細管が濾液から必要な分子を必要な量だけ再吸収し、不要なものは尿として捨てています。これが腎臓です。ここでリンの事を考えてみます。リンは小さい分子ですので、血液ろ過フィルターを通って尿細管に出てきます。リンは大事な元素ですので生体はこれを再利用する為に再吸収をして又血液に戻します。と云う訳で原尿中のリンが全部再吸収されると、尿の中にはリンが出てきません。この場合、リンの排泄率量が0%で、原尿中のリン濃度は低いわけです。しかし、リンを食べますと食べた分のリンは尿の中に捨てないと体にリンが溜まってしまうので、FGF23が分泌されリンの再吸収を抑えます。例えば半分位再吸収して、半分位捨てることになります。この場合、リンの排泄率が50%で原尿中のリンの濃度は上がってくるわけです。更にネフロンの数が減った場合を考えてみます。ネフロンの数が半分に減ると、ろ過したリンは全部捨てなければいけません。FGF23が更に沢山出て来て、尿細管におけるリンの再吸収は完全に抑えられます。この場合、リンの排泄が100%になります。こうなると原尿中のリンの濃度は、ますます上がってきます。原尿中のリンの濃度が上がるとどうなるか?リン濃度が溶解度を超えると、リン酸カルシウムが析出しますが、これは無害では有りません。例えば細胞を培養してリン酸カルシウムを振りかけますと、細胞がどんどん死んでしまいます。尿中リン濃度が上がると、原尿中にリン酸カルシウムが析出して尿細管を攻撃するのではないかと考えられます。実際リンを沢山食べた時、腎臓にリン酸カルシウムが析出してくるかマウスで調べてみました。これは生きたマウスをそのまま顕微鏡のステージに上げ、腎臓を観察した画像です。高リン食を食べていると、リン酸カルシウムの赤いシグナルが沢山出来ています。まとめてみますと、リンを食べすぎたりネフロンの数が減ってきたりすると、FGF23が上昇し、ネフロン当たりのリン排泄量増えリン酸カルシウムが析出し、これが尿細管を攻撃して傷つけ、その傷を治す為に腎臓の線維化が進行します。この様な悪循環がどんどん生じて、傷だらけの腎臓になってしまいます。では、ネフロン数は、どういった原因で減るでしょうか。第1に、年を取っただけでどんどん減ってきます。つまり、老化現象です。60歳を超えると若い頃の6割、或は半分位になってしまいます。第2に、腎臓に病気が有れば、或は腎臓を巻き込むような全身の病気が有れば、加齢によるネフロンの減少を加速します。最も多いのが糖尿病や高血圧で、腎臓が合併症として悪くなります。この様に、ネフロン数が減る原因は様々ですが原因に関わらず、とにかくネフロン数が減っても腎臓の働きが低下した状態を、慢性腎臓病と呼んでいます。実は、日本の成人8人に1人が慢性腎臓病を患っていると言われています。正に国民病な訳です。慢性腎臓病は色んな原因でなりますが、最終的には腎線維症と云う状態になります。最近わかってきた事ですが、慢性腎臓病の人はクロトーが減ってきています。末期になるとリンのバランスが保てなくなり、体にリンが溜まってしまい、あたかも老化が加速したかのようになります。血液透析をせざる得なくなり、今、日本で血液透析をしている方は30万人を超えました。この透析の費用だけでも年間1.3兆の医療費が生じています。これは大きな健康・医療問題でもあります。リンの取り過ぎは良くないのですが、現代の食生活は明らかにリンの取り過ぎです。必要量の倍以上を食品から取っています。知らないうちに食品添加物からも、食品から取っている量に匹敵する位の量を、私達は食べていると言われています。更に悪い事には、食品中のリンと云うのは全部が吸収される訳では無いのですが、食品添加物中のリンは、ほぼ100%吸収されます。これはコンビニで売られているサンドイッチですが、保存料・合成着色料を使用しておりませんと表示されています。良くラベルを見ますと、リンが添加物として入っている訳です。食品の中にもリンが多く含まれている食品と、そうでない食品が有ります。食品成分表と云うのが本屋さんにありますので、見て頂けると分かると思います。食品成分表に描かれているリンの量は、食品中に含まれるリンの絶対量であり、吸収率は一切考慮していません。例えば、大豆製品のお豆腐はリンの多い食品に分類されていますが吸収率が非常に低いので、一概にこの表だけ見て豆腐は避けた方が良いかと言いますと、そうでもありません。この辺の認識が、まだ浸透しておりませんので、将来的にはこの吸収率の高い低いは標記していく必要が有るのではないかと思います。リンは、私達が生活していく上で絶対必要な元素ですが、取り過ぎると腎臓を傷つけてしまいます。腎臓が傷つくとクロトーが減って老化が加速するのではないかと云う事で、取り過ぎないようにしましょう。

どうも、ご清聴をありがとうございました。

 

 


今日の料理

 和牛ロースの美味煮

 おひたし 

 ご飯 味噌汁 香の物

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

12月】

12月 8日 見えてきた老化の秘密〜クロトー遺伝子の可能性

      黒尾誠様      自治医科大学 抗加齢医学研究部 教授

1215日 クリスマス例会 ディナーパーティー

      親睦活動委員会

1222日 会員リレートーク 第2回(演題未定)

      太田裕治会員    日本生命保険相互会社 宇都宮支社 支社長

      永井宏樹会員    永井印刷 代表取締役

1229日 休会

1月】

1月  5日 「今を生きる」〜いのちとは〜

      倉松俊弘様      薬王寺 山主(鹿沼RC会員)

112日 栃木県事業引継ぎ支援センターの活動について(仮題)

      大森治様       栃木県事業引継ぎ支援センター 統括責任者

1 19日 マーケットの今年の見通し(仮題)

      小池美源会員     野村證券渇F都宮支店長

1 26日 職業奉仕とは(仮題)

       比企達男様      2550地区職業奉仕委員会カウンセラー

会報委員 藤本   達也 会員

写  真 印出井 敏英 会員

 

メールアドレス:u-rc01@silver.plala.or.jp

下記URLをクリックすると会報バックナンバーが表示されます
http://www.u-rc.gr.jp/kaihou/web3.htm